2006年04月21日

ミュージシャンを撮るということ(1)

一昨年の初夏、夜23時くらいの公園で一人自転車に乗っていたら、遠くから、およそその場にふさわしくない、なめらかでとろける様な歌声が聞こえてきました。


仕事のストレスで、日々精神がボロボロになっていた僕は、深夜の公園を自転車で飛んだり跳ねたりすることによって精神を保っていました。
ただ、それも睡眠時間を削りながらなので、気力・体力が限界の状況まで追い込まれていて、もう、どうしようもなくなっていたのです。

そこに、あの歌声です。もう、ワケが分からないままフラフラと引き寄せられていってしまいました。

060421a.jpg


あの時の衝撃と感動は、死ぬまで忘れることはないと思う。
身体の毛穴から全てが溶け出して、地面に広がっていくような、そんな感覚。生まれて初めての経験。

その曲はFLY AWAYと言います。
おそらく、僕の生涯ベスト3に入る曲。

http://jas-mine.com/disco/sounds/02_07.mp3


そのバンドの周りには、深夜の工事現場へ行く前の、ドカタのおじさん達が集まっていました。(よく、この公園は工事現場へ行く前の集合地点になるのです)

おじさん達は、おおよそ、こういった音楽を聴くような風貌には見えませんが、みんな一様に口をつぐみ、そのバンドが奏でる音に耳を傾けています。

僕もその輪に加わり、失礼ながら自転車にまたがったまま、その歌声、演奏に身を委ねていました。「ながら」で聴いていた訳じゃなく、近くに行ったら身動きがとれなくなったのです。

とにかく幸せな気分。

日々の嫌なことは全て忘れ、とろけるような感覚に包まれて、あたりを漂っているかのよう。
この幸福が永遠に続いたら、と思わずにはいられませんでした。


しばらくして、惜しまれるようにその演奏が終わりました。
すると同時に、おじさん達から拍手が巻き起こります。もちろん僕も、心の底から拍手をしました。

夜中の公園で、こんな光景に出会えるなんて夢にも思っていなかった。

060421b.jpg


そのバンドは「ヤスミン」と言いました。
http://jas-mine.com/
posted by サモ at 14:12| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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